映画館の選び方
なんか、スチームボーイのページへトラックバックしたせいか、やたらにアクセスが増えて焦っております。ごめんなさい、内容無くて。
なので、ちょっとお役立ちのことを書いてみようかな。
「STEAMBOY 上映終了迫る!らしいです」の最後の部分で「都内じゃどこで観るのがいいかなぁ。メディアージュ?」と書きました。
これについて詳しく述べますと。
映画館で映画を観る時、スクリーンの大きさとか客席のキレイさとか、最新の音響設備が整っているかなどを気にされる方は多いと思います。
でも、映写設備について気にしてる人って少ないんじゃないでしょうか。
映写機のランプの明るさは規格である値に決められています。
ですが、実際の街中の映画館でその規格を満たしているところはほとんど無いのではないかと思えます。
理由はいくつかありまして、単純に光量を落とせばランプが長持ちして経済的だとか、映画館自体が古くて排気設備が十分でなく、光量を落としてランプの発熱を抑えざるを得ないとか。
「スチームボーイ」はスチーム城の動力室内部の描写など、非常に暗いシーンが続きます。ここで映写機の光量が足りないと、ディテールが見えないことはもちろん、目が非常に疲れます。レンズのピントは来てるのにピンボケの画を見たような感じです。
通常、劇場用作品のチェックは現像所(ラボ)の試写室で行なわれます。
そこの映写機はもちろん規格どおりの光量を保っていますので、実は一般の映画館で観るときより明るくコントラストのある画に見えるのです。
監督や撮影監督、カメラマンはラボの試写室でOKを出します。
しかし一般的には、街中の映画館で試写をして、プリントの焼き度を補正してくれなんて話にはなりません。
街中の映画館は一館一館映写条件が異なり、どこかに合わせるというわけにはいかないからです。
有楽町の某館なども業界では暗さに定評があり、「あそこに納品するプリントだけ明るく焼けないか?」などと半分冗談・半分本気で言ったりします。実際にはラボから映画館に直接プリントを納品するわけではないので、そんなことはできません。
また、以前わたしが担当した作品の初日に日比谷の某館に見に行ったとき、そのあまりの暗さに泣きたくなりました。目が痛くて(おい)。初日ですよ、初日。まだプリントもそれほど痛んでいない初日であの見え方……。
なので一般論として、「スチームボーイ」も試写室での見え方と違う可能性が高いのです。
では、これを避けるにはどうしたらいいか。
映写スクリーンはあまり大きくないほうが良いです。大きなスクリーンほど光量が必要ですから、ほどほどの大きさのほうが明るさ的には有利です。
しかしこれは、せっかく映画館の大スクリーンで観るという魅力とトレードオフになります。難しいところです。
映画館の壁の色も重要です。壁の色が明るいとスクリーンに映写された光が反射して、結果的にスクリーンに映る画のコントラストが低下して見えます。
ぴあなどの映画情報誌では客席内部の写真が見れることもあるので、参考にするとよいでしょう。
あとは映画館自体の設備の観点から、比較的新しいとこに行ったほうがランプの光量は確保できてる傾向があります。
もっとも、都内某所の最新シネコンもそれほどでもなかったので(以下略(汗
THX規格は音響だけではなく映写条件も含めた規格なので、THX認証映画館を選ぶというのも手です。
しかし(以下略
最近感動するくらい良かったのは、品川のIMAXシアターで見た「イノセンス」でしょうか。
音響も素晴らしいし、あの超大スクリーンで見ると作品世界に入り込んでしまうような錯覚に陥り、映画を観るというよりはなにかのアトラクションに参加したような不思議な感じがします。
もっとも、上映される作品が限定されますし、スクリーンが大きすぎるゆえに元画像の解像度の低さの粗が気になることもあります。
しかし、そんな粗が小さなものに思えるほど素晴らしい体験でした。
お好きな映画が上映されているときは、ぜひ品川で。
今はハリー・ポッターがかかっているようですね。
追伸:「試写室」にもいろいろありまして、某配給会社の試写室はスクリーンも小さく明るさもごにょごにょ。
なので雑誌の懸賞などで「○○試写室」での試写会に当たった!などといって喜んでいると、とんでもごにょごにょ。
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