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ローエングリン(東京シティ・フィル)@東京文化会館

東京シティ・フィル「ローエングリン」を聴いてきた。場所は東京文化会館。
シティ・フィルの団員に高校の同級生の女性(美人)がいて、その縁でこのワーグナーのシリーズはもう五年連続で聴きにいっている。団員割引でチケットを譲ってもらってるのだ(笑)。
こんな機会でもなければオペラだの楽劇だのはなかなか聴きに行くことはないので、わりと楽しみにしているシリーズだ。
昨年までは「ニーベルングの指環」から『ラインの黄金』、『ヴァルキューレ』、『ジークフリート』、『神々の黄昏』を四年連続でやっていた。

この公演が特徴的なのは、オーケストラル・オペラという形式で演奏されていることだ。
オーケストラル・オペラとは、

従来のオペラの上演スタイルや演奏会形式とは異なり、東京シティ・フィルがオーケストラとしての独自の視点で提案するオペラの新しいスタイルです。主に伴奏の立場であったオーケストラをあえて舞台と同列に配置し、オーケストラと舞台とが渾然一体となる新たな演出空間を創造することによって、総合芸術であるワーグナー楽劇の音楽的な側面にあらためて焦点を当て、その素晴らしさを再認識することを意図しています。(東京シティ・フィルのWebページより)

「ニーベルングの指環」はオペラとは呼ばれない。ワーグナーが楽劇と呼んでいる。
従ってオペラに特徴的な大人数の合唱団はステージに上がらない(まぁ一部にはあるけど)。
「指環」はいちどに舞台上にあがる人数がそれほど多くなく、小さな舞台でも十分に間に合うのだ。なのでこのオーケストラル・オペラもそれほど不自然ではない。というか、舞台装置の予算けちった? とも思う(^^;)

今回の『ローエングリン』は「オペラ」とワーグナー自身によって名付けられている。合唱団もいっぱいいた。緞帳の裏で譜面台倒してたりした(笑)。チケットこんなに安くていいの? と思う。もちろんS席一万円を超える額は安いとはいえないが、ベルリン(ザルツブルグ)だウィーンだの引っ越し公演と比べれば破格といってよい。もちろんそのベルリンやウィーンも、現地に聴きに行くことを考えれば安いともいえるのだが。

このように国内のオーケストラによって、適価でオペラが鑑賞できることは喜ばしいことだ。
先に挙げた「ニーベルングの指環」など、海外からの引っ越し公演を四夜連続で見るとン十万円もすることがある。とてもじゃないが勉強不足のぼくにはもったいなくて、そのお金でDVDでも買い込んだほうがお得だ。

またオペラに限らず、通常のオーケストラ・コンサートも地道にがんばってほしい。東京にはオーケストラが複数有り、そのどれもが財政的には苦しいと思うが、安価にクラシック音楽に接する機会があることをぼくら音楽ファンは幸せだと思わなければならないだろう。気がついたらN響しかなくなっていた、なんてことにはしたくない。いや、N響好きですよ、ぼくは。デュトワが音楽監督のときにもっと聴きにいってればよかったと後悔してるくらいに。

ってことでまた招待券ちょうだいね、シティ・フィルの同級生さま(言ってること矛盾してるやん(^^;))

追記:
さっきの発言で演奏のことなんにも書いてなかった(^^;)
というか、「ローエングリン」っていったって第三幕への前奏曲くらいしかろくに知らないぼくには、その演奏をどうのこうの言えるほどの判断基準が無いのだが。

東京シティ・フィルは若いオーケストラで、団員の平均年齢も比較的低いほうだと思う。
これまでの通常のコンサートを聴く限りでも曲によるバラつきがあったりして、正直「上手いのか下手なのかよくわからん」と思うことがあった。
でも、ホルンは非常に上手いと思うし、ファゴットやビオラといった中音域を受け持つ楽器の音がかき消されずに聴こえてくるのは、合奏能力が高い証拠だろう。
トランペットの音色がやや硬いように感じるが、全体に危なげない。

上手くて当たり前なN響にはないドキドキハラハラも魅力の一つとして(笑)、このオーケストラに期待しているのである。

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