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マエストロの肖像 ウォルフガング・サヴァリッシュ〜音楽に愛された男@NHK BS-hi

サバリッシュがN響を振った中継を見た。
椅子に座って、必要最小限の動きしかせずに指揮をするその姿に老いを感じて、ショックを受けた。
しかし、その小さいながらもハッキリとした指揮にN響のメンバーはしっかりと反応して、素晴らしい演奏をしていた。

サバリッシュというと、クラシックにそれほど詳しくないぼくには地味目の存在だった。

10年以上前、大学オケのつながりでN響の楽器運びのバイトをよくやっていた。
高輪にあるN響の練習場でトラックに楽器を積み込み、主にNHKホールで積み下ろし。今は配られていないけど、入場するお客さんにフィルハーモニーという月刊のプログラムを配ったりもした。
プローベも聴けたし、空いている席があれば本番のコンサートも聴いたりできた。
今思うと、夢のようなバイトだった。

そのバイトの時に、サバリッシュも何度も聴いていたはずだ。
フィッシャー・ディースカウとの共演もあったはずだが、合唱や歌手についてほどんど無知だったぼくには、それを聴けることの幸せが全く分かってなかった。終演後にディースカウにサインを貰っている合唱団の若い人たちを「そんなに凄い人なんだ?」と横目で見ていた。ああ、これがホントの猫に小判。モノの価値の分からぬ愚か者だったことよ。いや、いまでもあまり変わりませんが。

確か、平日かゴールデン・ウィークの時期だったかの真っ昼間に、銀座のヤマハでサバリッシュのサイン会があると聞いた。人が集まらないと困るので、サクラで行ってくれと言われたこともあった。けど行かなかった。
こんな誘いがあったせいで「あんまり人気のない人なのかな?」などと勘違いしてしまったんだろう(^^;)
ぼくにとっての巨匠だとか偉大な指揮者というのは、雑誌や店頭で目立つところに置いてあるCDを出している指揮者のことだった。いわゆる売れるCDを出している人のことで、その筆頭はまだ生きて新譜を出していたカラヤンだった。
ああ、なんて浅はかな。CDではなく、生の演奏を聴ける機会に恵まれていたのに、その幸せを幸せと思えなかった日々よ。

そんなこんなでサバリッシュのCDは一枚も持ってないのだが、実はすごく大きな買い物をしている。
「ニーベルングの指環」の“LD”だ。DVDではない、レーザー・ディスクだ。
中の特典ディスクでは、ミュンヘンのバイエルン国立歌劇場の紹介をサバリッシュがしている。
二年前仕事でミュンヘンに行った時、バイエルン国立歌劇場の前をさんざっぱら歩き回った。日本に帰ってきてからこのLDの存在を思い出して、思い出すよすがにした。ああ、行く前に見て予習してれば、と悔やまれた。

クラシックは聴いてもオペラは聴かないぼくにとっては、バイエルン国立歌劇場音楽総監督というのがどれくらいすごいことなのか全く分かっていなかった。

去年のウィーン・フィルの来日公演は、当初サバリッシュが来るはずだった。ぼくが幸運にも手に入れることができた日も、サヴァリッシュが振るはずだった日だ。
へぇ、サヴァリッシュってウィーン・フィル振るんだ、などとblogとはいえ今となってはあまり書きたくないようなことを思ったのは事実である(^^;)
残念ながら、体調不良のため来日は実現しなかった。

そこで冒頭の話に戻るが、N響でブラームスの1番やベートーベンの7番を振るサヴァリッシュの姿にショックを受け、その音楽に感動した。
ああ、なんてぼくはバカだったんだ。本当の巨匠がそこにいる。

そのサバリッシュの半生(?)を描いた番組が今日オンエアされた。
NHK BS-hi AM9:30〜10:30
「マエストロの肖像 ウォルフガング・サヴァリッシュ〜音楽に愛された男」。

どうやら、2002年の年末に放映されたものの再放送のようだ。サバリッシュも椅子に座らず、精力的な指揮をしている。
わずか2年前の姿なのに、今年の来日時との差が哀しい……。

今はただ無理をせず、お元気で音楽活動を続けられることを祈るのみである。
できればもう一度生で演奏を聴きたかったが、ヨーロッパからの長旅はお体にも良くないだろう。来日は実現しなくてもいい。


ちなみにこの「マエストロの肖像」、いろいろ検索してみたが、サバリッシュとヘルベルト・ブロムシュテットの二回しか放映されてないみたいだ。ブロムシュテットの分も今日オンエアされた。
どなたか他の指揮者の回もあったのかどうか、あるいは再放送の予定があるのか、ご存知の方は教えていただきたいm(_ _)m

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準・メルクルも放映されました。

投稿: パパペリ | 2005/02/26 23:00

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