ニッポン放送問題については書きたいこともあったんですが、時間がとれなくてこれまでほとんど書いていませんでした。
だってこのblogは「如何にして心配するのを止め て妄想を愛するようになったか」を書くところで、現実の諸問題に悩まされる場所ではありませんから(笑)。
基本的には「不信感」で書いた通り、いまだにHTML形式のメールをまともに表示できないメーラーを放置している会社にITのプロなどと名乗らせることは絶対に認めませんが(笑)。Eudora ver.6.2になっても改善されてなかったし。
さて、ソフトバンク・インベストメント(SBI)の登場により膠着状態に入ったかに見えるこの問題ですが、そのことを報じる各新聞の違いがけっこう面白いですね。
見出しだけ並べてみると
「フジと提携に意欲 ソフトバンク孫社長」産経新聞
「ソフトバンク孫社長、フジテレビとの提携に前向き」讀売新聞
「TV局との資本提携、孫社長は『考えていない』」朝日新聞
毎日新聞には孫氏のコメントを扱った記事が見当たりませんでした。
さて、孫社長はフジテレビとの提携をしたいのかしたくないのか、どちらなんでしょう?(笑)
これらは孫社長が異なるコメントをしたのではなく、同じ発言から作成した記事の見出しなんですね、おそらく。
そこで、それぞれの記事から孫社長の発言部分のみ抜き出してみました。カッコで補われたものや、記事の地の文は全て省きます。それゆえ意味の取れないところもあるでしょうが、そこは原文を見てくださいませ。
産経新聞
「グループ企業がフジテレビに協力できることは喜ばしい」
「メリットがあり、機運が盛り上がれば考える」
「私はかねてインターネットとテレビ、新聞、ラジオと密接なつながりを持つ時代が来る、それにそなえなければと感じていた」
「今回はグループの大切な一社であるSBIが独自に判断したものだ」
「一歩一歩連携が強まることは望ましいが、具体的な資本提携を考えているわけではない」
「新しいことにチャレンジする姿勢は評価できる」
「私はM&A(企業の合併・買収)を手がけてきたが敵対的買収は一度もない。望み望まれる場合はスムーズにいくが、望まれない場合は難しいと思う」
讀売新聞
「協力できることがあれば、否定しない」
「グループの会社が協力できることは喜ばしい。フジテレビとの提携は、互いにメリットがあり、具体的な機運が高まれば是々非々で考える」
「考えていない」
「将来的に、インターネットとテレビの連携、新聞、ラジオ、メディアの融合が様々に進む」
「チャレンジ精神は評価しているが、敵対的な買収よりも、相手が望む関係ができる方がいい」
朝日新聞
「フジテレビジョンに限らずテレビ局との資本提携は考えていない」
「SBIの独自の判断」
「以前からインターネットとテレビが一層密接なつながりを持つ時代に備えてきた」
「中長期的にはグループのコンテンツ充実につながればと思う。フジに限らず様々な民放、NHKなどと業務提携が進むとありがたい」
「プロ野球やその他で彼のチャレンジ精神には敬服している」
「我々は、いろいろな会社に投資、買収をしているが敵対的買収はしていない。望まれない企業買収は難しいと思う」
孫社長の発言を引用した部分がカッコ「」でくくられてると思うのですが、微妙に言い回しが変えられてるところもありますね。
要するに
「資本提携は考えていない」
「メリットがあれば(業務)提携は考える」
ということでしょう。
ということで三紙とも間違いや嘘は書いてないんですが、どこを重視するか記者や新聞社の考えが反映されているんでしょうね。
ライブドアの堀江はこのあたりを「恣意性がある」「すごく偏向している」と言ってるんでしょうね。
でも、新聞各紙で違う見方をしていて、違う考え方で編集しているから、それぞれの新聞の存在価値があるわけでしょう?
他人の発言を勝手に言い回しを変えてしまうのは問題だと思うけど(笑)。
ぼくが中学生の時、同級生の女の子が殺された。
新聞はもちろんテレビのワイドショーや週刊誌でも騒がれた、全国的に有名な事件だった。
その子は面識が無かったので特別にどうこうという思いは無いけど、その報道は自然と見てしまう。
だって、全校朝礼の様子とかがテレビで流れるわけだし(苦笑)、あまりに身近で起こった事件だし、これに興味を持たない方がどうかしてると思う。
その時の新聞報道を読むと、犯人の乗っていたと思われる車の目撃情報で、車種や色、女の子の服装、そんな間違えようの無い基本的な事実が各紙でまちまちに報じられていた。具体的には覚えてないけど、セダンとワゴンとか、エンジとグレーとか、間違えようが無いだろそれ。
タチが悪いと思ったのは、おそらく警視庁の記者クラブかなにかで発表された情報をそのまま流してるはずなのに、なんでこんな単純なことで報道に食い違いが出てるんだ? ということ。
この時からぼくのメディアに対する不信は芽生えたわけです。新聞も、決して正しいことを正確に伝えているわけではないんだ、と。
なので、真実に近づこうと思ったら、新聞くらい読み比べるわけですよ。どんなことであっても。
それを堀江は、産経新聞のインタビューで文句言ってる(笑)。
社説だって記事だって、新聞社の考え方、編集方針によって内容は変わるだろうさ。単なる事実の伝達でさえ変わってしまうんだから(笑)。
それが当たり前でしょう? 大政翼賛会じゃあるまいし。
あ〜、けっこう長くなってしまった。各社の見出しの違いを並べて面白がるだけのつもりだったのに(^^;)
堀江の言ってることの一部だけ取りだして批判してるので、われならがズルいかなとは、多少、思う(苦笑)。
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