アニメ・コミック

「コブラ」が面白い

最近刊行されている寺沢武一の「コブラ完全版」にはまってしまった。
もともとは週刊少年ジャンプに連載されていたもので、リアルタイムで読んでいたっけ。
アメリカン・コミックのような絵柄で、すごく画の上手い人だなぁと思ってたなぁ。
確か上野で開かれてたマンガの展覧会のようなもので、「コブラ」の生原稿が展示してあった。
印刷では伝わらないペンタッチ、線の繊細さに、とにかく圧倒されたのを覚えている。「これがプロの原稿なんだ!」って。

そんな「コブラ」なんだけど、それほど熱狂的になったという覚えも実は無かった(^^;)
なのに、2000年に出たDVDボックスは衝動買いしてた。
サントラでドヴォルザークの「新世界」をモチーフにしたのがあって、それが聴きたかったってものある。4万円弱の買い物にしては、なんだかなぁという動機ではあるが(苦笑)。
だもんで、ボックスの一枚目しか封を開けてなかった、昨日までは。

そう、コミックを読み返してたら面白くなってきちゃったのね、これが。
そして意外にも内容を覚えてるんですよ。つまり、当時けっこう熱心に読んでいたらしい、ということに気付いた。
「サイコガンは心で撃て!」とか、カァ〜ッコイイ〜(笑)。

そこでDVDを見返したら、ちょっとイメージが違ったりする。
野沢那智さんの演技が少々過剰な気もするが、2〜3話観たら慣れました。
那智さんはぼくにとってはアルフォン少尉(ヤマトよ永遠に)なんだよなぁ(笑)。
コブラの声を山田康雄にやって欲しかったってのが原作者の寺沢さんの希望だったんですが、これは実現しませんでしたね。
映画版では松崎しげるがやってて、賛否両論あるようだけど、ぼくは嫌いじゃない。
だから「スターウォーズ」を初めてテレビ放映した時に、ハン・ソロの声を松崎しげるがやると聞いて「悪くないんじゃない?」と思ったら大間違いだった(苦笑)。いやもう、あの時録ったビデオ消せませんって、貴重すぎて(^^;)

その「コブラ」のDVDボックスがまた出る。今度は劇場版も一緒に入ってるし、フィギュアなどの特典が大盤振る舞いとなっている。これで前にぼくが買ったボックスと値段がほとんど一緒って、そりゃないよというくらいに(T_T)
画質も「デジタルテレシネ&ニューマスタリング」のリマスター版ということで綺麗になってるような書き方だけど、すでに前回のボックスで十分綺麗なんですよね。色もシャープネスも全く問題なしの高画質。あれ以上良くなるとはあまり思えないんだけど……、実は同じマスターじゃないだろうな?(^^;)

う〜ん、フィギュア目当てに買うのもキツイので、amazonで半額セールにでもなったら買おうかな(^^;)

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イノセンス限定DVD BOXが早い者勝ち!?

予約のキャンセルでも出たのか、長いこと「現在お取り扱いできません」だった「イノセンス」の限定ボックスがamazonで入手可能に!

ちょっと、いやだいぶ高いけどイノセンス DVDコレクターズBOXのほうは定価で1点のみ在庫有り。

B0002IS19W.09.TZZZZZZZ.jpg今回の「イノセンス」DVDボックスの中では個人的に一番お奨めの「イノセンス リミテッドエディション VOLUME 1 DOG BOX」、 バセットハウンド犬のオルゴール付きアートフィギュアが付いててこの価格は安いと思う。
こちらは20%オフだもんね(^^)


コレクターズBOXはすでにウチには届いてるんだけど、未開封だ(^^;)
ナウシカの王蟲のフィギュア付きのBOXも未開封だ(^^;;;;;;
まだこれ入手可能だったのか……。

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『スチームボーイ』非公式ナイト

ロフトプラスワンでの「『スチームボーイ』非公式ナイト」に行ってきました。
内容については、その場にわざわざ足を運んで下さったみなさんに対してだけゲストの方がぶっちゃけて話してくださるものなので、ネットなどへの書き込みはしないのが礼儀。こちらにはぼくも書きません。

今回でこの「非公式ナイト」って五回目だそうで。開催されたことを知らなかったものがほとんどで、知ってれば行きたかったなぁ……という内容がほとんど。
ぼくはVol.3の「イノセンス非公式ナイト」しか行ってないんですよね。ロフトプラスワン自体は何度か行ってるんですが。

ロフトプラスワンはトーク居酒屋という形式で、お客さんが飲み物や食べ物を注文することでゲストの方へのギャラが決まります。注文が多ければギャラは多く、少なければ……赤字?(^^;)
この食べ物が不満でして(苦笑)。夜の開催なのにまともな食べ物が無い。基本的にありものを開封して出てるだけ。コーヒーすら無いんだかもう。

しかし今夜は違った(笑)。
「スチームボーイ」にちなんで「スチーム・チキンカレー」と「スチーム・チキン」、つまりは蒸した鳥の入ったカレーと、蒸した鳥そのもの。
これがけっこう美味しかったのです。
ただし、カレーのルーにレトルトかなにか使ってるようで、それがビーフカレーらしく、ビーフも入ってましたが(苦笑)。


「イノセンス非公式ナイト」のときは、押井さんにちなんで月見うどん・そばがありました。「おっ、わかってるなぁ」と思って注文したら、つゆがぬるい……(=_=;)
お前ら「立喰師列伝」ちゃんと読め、と。なっとらぁあああああん!

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「ルパン三世 HVリニューアルマスター版」の出来

7月31日からwowowで放映されている「ルパン三世」をデジタル修復したハイビジョンリニューアルマスター版だが、おおむねあちこちで評判が良いようだ。

2001年に出たDVD版の画質がヒドすぎたということもあって、ルパンファンの間ではかなり好意的に見られてるらしい。
DVD版は放映当時の画質・色調にこだわるあまり、原版は35mmフィルムなのに16mmのポジプリントをとり、それをテレシネしている。
確かにオンエアは16mmポジプリントを前提としていたであろう。しかし、2001年当時の35mmネガ原版の状態がそれ以上悪くなる前に、その時点でできる最善の方法で後世に作品を残していくことが目的ならば、他にも手段はあっただろう。

例えば2000年に出た「宇宙戦艦ヤマト(テレビ第1シリーズ)」のDVDは、やはり原版が35mmで、非常に美しい画質であった。ネガテレシネかポジテレシネかの記述が見つからなかったのだが、わざわざ16mmに落としてはいないと思われる。
いわゆる“パラ”と呼ばれるフィルム上のゴミなど全てが取り除かれているわけではない。しかし、シャープネス、コントラスト、色調ともにこれまでの商品よりはるかにキレイになっていた。

また、やはりwowowで放映された「新世紀エヴァンゲリオン」のニュー・マスターも美しい出来だった。
エヴァの従来のパッケージ商品はフィルムの揺れがひどく、大画面で見ていると正直酔いそうだったが、それも大幅に低減されていた。
色調がキレイになったことも、デジタルワイプなどでさんざんデモされていたので、ご覧になった方も多いと思う。

しかるにこの「ルパン三世」であるが、DVD版と比べて色調・明度・彩度など申し分なく改善されている。
パラも完璧に取り除かれ、フィルムの揺れも“全く無い”。デジタル処理で完璧に止めてある。

しかし、これがやりすぎなのだ。

フィルムの傷や揺れを取り除くため、背景画や動いてない人物など全て静止画にしてある。
すると当然ながら、フィルムの持つ粒状性が失われる。

フィルムで映像を撮影すると、まったく動かない静止画であってもフィルムの持つ粒子が見える。その粒子は一コマ一コマ異なっているため、静止画であっても時の流れや空気感が感じられる。
またフィルムの揺れも、同様に時間経過を観るものに感じさせる。

この「ハイビジョンリニューアルマスター版」が酷いのは、画面の一部を静止画扱いしていることだ。
静止した背景画の中を人物が歩くとき、人物の回りのデジタルで処理しきれない粒子が動いて見える。下手するとフィルムの変形のためか、デジタルで静止画処理してあるところから人物の首だけが浮いて歪んでいる。

ぼくには多少パラが残っていたりフィルムの揺れがあることより、不自然に粒子が動かない背景や、背景から浮かび上がった人物のほうにより大きな違和感を感じる。

だが、そのことを指摘している人をほとんど見ない。強いて言えばこちらのページの8月9日付け日記の部分くらいだ。

ぼくも以前、旧作品のアーカイブではないが、フィルムの傷消し作業などをしたことがある。しかし、傷ついたのが一部だからといって、その他の部分をどこかの一コマから持ってきて止めてしまうなどということはしなかった。今現在修復に関わっている同僚にも聞いてみたが、そんなことは決してしない。

ところが現在テレビでオンエアされているアニメ作品は、ほとんど全てがフルデジタ ルで撮影(合成)されたものだ。撮影台の上でセルをフィルムに撮影した作品は「サ ザエさん」などを除いてほとんど無い。
つまり現在のアニメ作品の視聴者は、粒状性の無い作品に目が慣れてしまっている。
だとするならば、フィルムの粒状性そのものすら、ノイズやパラ同様に画面には不要 な情報と認識している世代が育ってきていることになるのかも知れない。
そのような視聴者にとってこの「ルパン三世 HVリニューアルマスター版」は違和感 なく受け容れられているらしいのだ。


例えばDLP上映でフルデジタルで制作されたアニメを見る場合。
DLP上映では画が揺れない。揺れはフィルムの映写時に起こるものだから(厳密に 言えば他にも入る要素はある)、フィルムを介さないフルデジタル制作からDLP上 映という流れでは、揺れは原理的に入りようが無い。


「トイ・ストーリー」などディズニー配給作品の冒頭に必ず上映されるシンデレラ城 のロゴ。青バックに白いお城があり、星が飛ぶ。
このお城は画面の中で微動だにしない。
飛んだ星が無くなれば動いているものはなにもなく、時間が経過しているのかどうか すらわからない。今見ているのは動画なのか静止画なのか。

ぼくなどはこれを見て「フィルムを見てる気がしなくて気持ち悪い」と思ったのだ が、意外と知り合いは全くなんの感想も持っていなかったりする。揺れてるとか揺れ ていないとか、そもそも無頓着だ。

本来フィルムの揺れや粒子感は、無ければ無いほうが良いものだろう。
フィルムの開発者は、粒子が小さくよりシャープな映像を実現できるように努力して きた。
タテヨコに小刻みに揺れた映像は見にくさの原因であり、極力その要因を減らすよう にしてきた。
しかし、それらがフィルムの「味」になっていたこともまた確かだ。

粒状性やフィルムの揺れを取り除く方向で行われているリニューアル作業は、本当に 放映当時の姿、あるいは制作者の意図した映像を復活させているのだろうか? と疑問 に思う。(一部改稿)

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イノセンスDVD

INNOCENCE-STAFF.jpgイノセンス リミテッドエディション VOLUME 2 STAFF BOX がいつのまにか購入可能に。
「現在お取り扱いできません」になってませんでしたっけ? これ。

なお「通常24時間以内に発送」になっているけど、ぼくのアカウントサービスをチェックしてみても「まもなく発送されます」にはなってない。いつ来るんだろ(;_;)

追記:今(9/15 22:25)チェックしたら「現在お取り扱いできません」に戻ってました。申し訳ないm(_ _)m

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続・「BSアニメ夜話」が面白い

さっきは面白い面白いとだけ書いて、具体的になにが面白いのか書かなくて申し訳なかったんですが、書くと長くなりそうなんですよね(^^;)
今、第一回〜三回を見直しながら書いてます。この深夜に。

そうですねぇ、例えば地上波民放で懐かしのアニメ特集なんかやるときって、名場面をほんの数秒間流して「懐かしぃ!」ってゲストとはしゃいでるだけで、なにも面白くない。
むしろ、名場面がぶつ切りにされて欲求不満さえ溜まるわけです。

しかしこの「BSアニメ夜話」は、一味も二味も違う。ぼくなど知ってる話も多いけど、普通に「宮崎アニメ大好き!」などという一般人は知らない話が満載。「ジブリ応援団」なんて芸能人がいたりしますが、そんなシロート(笑)じゃ通じない話ばっかり。

基本的には「BSマンガ夜話」と同じ構成です。
まず、司会はオタキングこと岡田斗司夫と、アニメにはそれほど詳しくない乾貴美子という女性を配している。この乾さんが一般視聴者の代表みたいなもので、原画・動画・作画監督の区別もつかないわけです。
これをとりまくゲストには、実際にアニメを監督している人(北久保弘之・大地丙太郎)あり、オタク第一世代を自称する唐沢俊一(「トリビアの泉」スーパーバイザーといったほうがわかりやすい?)あり、アニメ・特撮評論家の雄である池田憲章さんあり、とにかく濃い。
いわばロフトプラスワンに出てくるようなゲスト陣なわけで、それだと濃くなりすぎるため、乾さんが、そして国生さゆりさんなどが薄める(笑)。
そして乾さんや国生さんの疑問に、北久保さんや大地さんが実際に現場を取り仕切るプロのアニメ監督の立場から回答する。これが岡田斗司夫すら間違いを指摘されるくらい深い内容。

従来のアニメ関連番組とは異なる、「世界初めての大人も見れるアニメ評論番組」の看板に偽りはありません。

出てくる題材も、作画の金田伊功さん、作画監督の大塚康生さん、演出・監督の出崎統さん。
大槻ケンヂだって「あしたのジョー」と「ガンバの大冒険」と「元祖天才バカボン」が全て出崎さんの演出だとは知らないんだから(知っとけ!(^^;))、一般の視聴者はチンプンカンプンではなかろうかとすら思える。
「ルパン」や「999」などの有名な作品名につられて見始めると「なんだこいつら!?」とサジ投げること必死(笑)。

「あしたのジョー」の最初のテレビシリーズと「あしたのジョー2」の作画の違いから、描画線の違い、原画をトレスする動画の苦労を語る。
それが宮崎駿の演出論にまで話は及んでいく。

止め絵は良くても動きが良くない絵しか描けないのは、アニメーターではなくイラストレーターだという大地監督の指摘にはハッとさせられる。

そういや、声優の話がほとんど出てこないのも特徴だ。

こんな内容の話が面白いと思える人だけ見ればいい。
どうせNHKで、しかもBSだ。視聴率なんか関係ない。みんなメールとFAXを送って応援しよう! ぼくは送らないけど(^^;) だって、同番組のウェブページの投稿読んだら、薄いんだもん。

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「BSアニメ夜話」が面白い

一昨日から始まっているNHK BS2の「BSアニメ夜話」が面白い(^^)
初日は「銀河鉄道999」
二日目は「ルパン三世 カリオストロの城」
三日目の今日は「あしたのジョー」

ぼくはマンガも普通の人よりは所有しているし読んでるほうだと思ってたんだけど、「BSマンガ夜話」で扱われる作品は未読のものが多く、なかなか理解できない部分も多かった。
有名な作品でも、アニメ版は見たことがあっても、原作のマンガは読んだことがないことも多かった。
「天才バカボン」しかり、「サイボーグ009」しかり。

しかし「アニメ夜話」は楽しくてしょうがない(笑)。
三日目までは良く知っている、見たことのある作品ばかりだし、そこで語られていることが「そうだよそうだよ!」とうなずけることだらけ。金田さんのことや、宮崎さんと大塚さんのこと。

今日は北久保さんもよくしゃべって、しかもそれが面白い。
撮影技法の話など、聞いたことはあっても、実際にどうやっているのか分からなかったことが分かったり。

「出崎演出」も、「とっとこハム太郎」で使われてるのを見て「出崎さん、あいかわらずだなぁ」って笑って見てた。ハム太郎でハーモニー処理見るとは思わなかったもの(^^;)
ぼくはゴジラと併映されるハム太郎は好きなのだ。今年は無いけど(T_T)

今後も「アニメ夜話」が「マンガ夜話」のようにシリーズ化されることを望みます(^^)

それにしてもNHK、「ルパン三世」を「3世」って書くなよなぁ(=_=;)

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「スチームボーイ」最終上映に行く

「[04.09.03]  本日最終日お見逃し無く!」ということなので、昨夜というか今朝観てきました。場所は六本木の「ヴァージンシネマズ六本木ヒルズ」。
おそらく都内最終上映の27:10スタート。一応持ってる前売りを無駄にはしなかったぜ。
さすがこの時間だとお客さんがまばらなのは仕方ないですが、ゆったりとほぼ中央の席で観られました。

前回六本木で見たのは6月3日のお披露目試写会の時。SCREEN 7の644席もある箱の端のほうの席で、けっして良い条件ではありませんでした。スクリーンの左端よりさらに左側に席ははみ出てて(^^;)、画もなんか暗いし音はホントにTHXか? と思うくらい良くなかったし。

今朝観たのはSCREEN 1の164席。スクリーン自体もそれほど大きいほうではありませんが、かといって小さすぎることもありません。ここもTHX認証なんですね。
そうか、六本木って全部の箱がTHX認証なんだ。

なんかね、最初の東宝マークが目が痛くなるくらい明るいんです(^^;)
一般の映画館に配給されたプリントは初号試写より1〜2ポイント明るめに焼いたものを出したとか聞きましたけど、その成果があって非常に観やすかったです。まぁ明るくなったぶん色はちょっと出なくなるんですが、あれだけ観て他のと比較しなければ不満に思うことも無いでしょう。

などと仕事の目で観てしまうのが悲しい性ですが(^^;)

今回、やっと「スチームボーイって面白い」と思えました。
どうも仕事で観てると画を注意深く観てしまって、ストーリー追うの忘れるんですね。
暫定版観て、完成版観て、試写会で観て、その他にも何回か観てるはずですが、いつも途中でストーリーがどこかで飛んでしまうという。職業病だわ。

「あれ? このことって説明が無かったんじゃ?」と思ってたところも、ちゃんと伏線張ってあったり説明してあったりでつながってるんですね。

で、ようやくストーリーがつながってみると「面白い!」んです。
う〜ん、このことにもっと早く気づいてたらもう一回くらい映画館で観たかったなぁ。DVD待ちです。

はぁ、見終わったら外大雨。空が白みかけた中、家にとぼとぼ(バイクで)帰りました。

森ビルで行われている「スチームボーイ 19世紀ロンドン展」も、さっき観てきましたので、これは稿を改めてまた。

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日本漫画映画の全貌@東京現代美術館

アニメ関係の展示も近年多い東京都現代美術館「日本漫画映画の全貌」を観てきた。
ぼくもアニメが好きで学生時代まではテレビで多くの作品を観ていた。
今現在は劇場用アニメに関わる仕事をしていることもあって、やはりアニメに対する興味は持っている。

しかし、自分が生まれる前の作品となるとほとんど観ていない。
子供の頃に映画館に連れていってもらうということがほとんど無く、今日の展示にあったような作品もほとんど未見だ。
学生時代はレンタルビデオ屋でバイトをし、そこにあるいろんな映画を見た。だが、当時でさえアニメの社会的地位は今ほど高くなかったこともあり、流行りの最新の作品しかなかった。今はDVDなどが出ていて、比較的容易に観ることができるようだけれども。
したがって、有名な「白蛇伝(1958年)」や「どうぶつ宝島(1969年)」すらも観たことがないのだ。

今回の展示では、そうした未見の作品の一部を会場各所で流されているビデオ映像で観ることができた。
名前だけ知っていた「くもとちゅうりっぷ(1943年)」も流れていた。歌とアニメがシンクロしている! 今の作品でも合ってないものがあるのに、日本最初期の作品ですでにこんなことが行われていたとは。
「すて猫トラちゃん(1947年)」では“まわりこみ”の技法が使われている。

展示されているも動画やレイアウトは、会場で売っている図録でほとんど見ることができる。
しかし、オリジナルの手書きのそれは、印刷され縮小されたそれからは感じられない作り手の思いのようなものが伝わってくる。
鉛筆で引いた一本の線が、表情を持っている。

「太陽の王子 ホルスの大冒険(1968年)」では、宮崎駿直筆の原画が展示してあった。場面設定や監督(演出)で今では有名だが、アニメーターとしても超一流だったことがわかる。
そういや、庵野さんもアニメーターとして凄腕だったっけ。

「どうぶつ宝島」では、ああこの頃から宮崎駿は宮崎駿だったんだ、と納得する(笑)。
動きが、表情が、そしてモブ(群衆)シーンの凄まじさが、今と全然変わっていない。というか、当時から今と同じ完成度だったのだ。

まさに「漫画映画」と、「動画」と呼ぶにふさわしい作品群だと思う。


最近のテレビやビデオのアニメはあまり観ていない。でも、たまに観た時の印象で言うと、1980年代くらいに今の流れはすでにあったと思う。
つまり、一枚の絵としての完成度は非常に高く、キャラクターも魅力的な造形でできているということだ。
しかしそれは線が多く、したがって動かすのに苦労が伴う。
もちろん、その線の多いキャラクターを見事に動かしている作品もあるから、それが悪いとは言えない。
でも、色と音のついた紙芝居のような作品も多いと感じる。

今日の展示で観た作品群、戦前から東映動画、そしてスタジオジブリへとつらなる流れでは、むしろキャラクターの線を少なくして動きやすくしている。
止め絵でのキャラクターの造形よりも、動きや表情が伴って初めて生き生きとしてくる。
止まっている絵が動くことがアニメーションの本来の面白さだとすれば、絵を動かすことの面白さに溢れた作品ばかりだった。

なので、図録ではなく、会場の液晶モニターに流されている映像を見るのが、この展示のキモだと感じた。
もちろん、生の原画やレイアウトを観ることも素晴らしい。

あとチケット一枚あるんだよなぁ。明後日で最終日、休み取ってもう一度行こうかな(^^;)

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ミユ・タキザワ フィギュア予約受付状況

フィギュアでなくてコミックの予約受付だろう、というツッコミは却下して(笑)

角川のページでは予約受付が9月2日までになってますね。
書店では17日までですが、こりゃamazonでの申し込みも急いだほうがいいかも。

上の角川のページでは、より大きな画像が見られますので、迷ってる方はクリック!(笑)

しかし、角川での予約だからといって特別な特典が付くようでもなさそうですし、送料が別途200円かかる模様。
2個買えば送料無料になるみたいだけど(^^;)

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